いまの状況も“ストーリー”によって変わる
- 今回は前回の補足になります。
もしあなたが、「何かを極めよう」「覚えよう」と弟子入りしたとしましょう。
そうだとするならば、これまでの生活、やり方、服装など、何から何まで変わってくることでしょう。
そうしたとき、いままで通りの長所や個性、特徴……とは、発揮しにくくなるものではないでしょうか。
“守破離”で言えば、「守」の期間です。
教えられるカタチを自分の中に叩きこむことが先で、“らしさ”を発揮する段階ではありません。
それはどのくらい先か?分かりませんが、“らしさ”を発揮するということは、「離」の段階のことのはずです。
弟子入りという設定はちょっと大げさだったかもしれませんね。
単純に「何かを身につけよう」ということでも、おなじだと思うのです。
身につけようとすることの経験があるかないか?
簡単か難しいか?
こういった違いはあるでしょう。
それぞれ身につけるまでの時間や難しさの違いこそあれ、オリジナルでない限りは覚える、教えを受ける、反復する……このような期間はつきものです。
はじめから思い通り何でもできて、そこに個性や長所を盛り込んでいけるという人は、一般的にはあまりいないでしょう。
新入社員、パート、アルバイトといった仕事、国語や英語に数学という勉強、伝統芸能や理容美容、大工などの技術職……
趣味や運動でもありますよね
ドレミファソラシドも分からないのに、みんなに混ざって1曲完成させるなんてことは、できるはずもないでしょう。
小さな子供が憧れを抱いてディズニーランドやUSJへ遊びに出かけても、たどり着く経路が分からなければ難しいでしょう。
たどり着いたとしても、どれくらいのお金が必要か?という事前の知識や予算がなければ、かわいそうですが入場して楽しむことはできないでしょう。
基本のカットが身についていないのに、パーマやカラーリングをウリにお客様をセットしてもピントがずれた仕上がりになります。
長所、個性、特徴、得意なこと……
自分の好きな、したいこと。
こうしたことができているかどうか?とは、ここまで説明した通り、ある程度の能力や経験があることが前提になります。
単純に修業期間中に「やりたいことができない」「長所が活かせない」と悩んでも、そこは将来の成長のために、受け入れる必要があるのかもしれません。
長所が発揮できない。
やりたいことがやれない。
こうしたケースで「全部がNG」になるということではないのです。
長所や特徴が出せているのか?やりたいことができているのか?ということは重要なことです。
ただそのときには、自分の人生のストーリーの中において、「いまの状況とは、自分の将来にどんな意味を持つ時間なんだろうか?」
こうした問いかけも必要になることでしょう。